忌まわしい忌まわしい
やおよろずの阿呆な神
裂けた金玉袋から目玉がにゅるんとこちらを見ている。本来目玉の在るはずの空洞には金玉が入っている様。誠に奇妙な「珍、事」である。。。全く気鬱も良い処である。畳に寝っ転がって小説を詠むのが間違っていた。昨日食べた、トリ鍋。友人である又吉がよく判らない鳥を拵えてきて、僕の留守中、うちの台所で捌いたらしく、まな板には、羽、頭、足、骨やらが散乱。帰宅するなり発狂してしまったが、一週間、まともな食事が摂れていなかった為、渋々喰ったのである。その夜、何故だか無数の鳥が窓硝子に衝突してきて、五月蝿くて眠れない、しかし人間生きるために寝てしまう、丑三つ時に金縛りにあい、隣に寝ていた又吉は、「カァカァカァ、コケコケコッコー、クルックー」なんて云いながら部屋中を鳥のように手をバサバサしながら廻っている。朝方、又吉は卵を産んだ。真っ白な卵。僕はそのまだ温かい卵を壁に思いっきり投げつけた、想像とは違い、卵は硬く、鈍い音を立てた後、畳に落ちて、中から恵比寿様が出た。恵比寿はペコリと御辞儀をしたあと、台所の鳥の残骸を掃除し、味噌汁を作ってくれた。味は美味かった。蟹のダシが効いている。又吉はまだ項垂れておった。産卵後なので無理もない。そっとしておこう。
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