イジワルセンセイとハチミツな恋~どきどき・胸キュンホームルーム~
直樹先生はまり子のデッサンを、彼女に見せながら柔和な表情を見せる。


自分で言うのも何だが、そのデッサンは、どれもまり子の魅力を強調した作品で、自分で言うのも何だが、とても綺麗に見えた。


「――私って…こんな風に見えるんですか?」


「ああ、まり子は、他の人の目からは、こう見えてるんだよ。だから、自信を持って、自分は綺麗なんだって思わないとね」


直樹先生にそう言われると何だかくすぐったい気がしたが、悪い気はしない。


「乃理道君のも見せてあげなさい」


直樹先生がそう言ったが、


「え、いえ、ぼ、僕のは…」


乃理道はスケッチブックを自分の後ろに隠し持って、首をふるふる振りながらじりじりと後ずさる。
< 102 / 213 >

この作品をシェア

pagetop