イジワルセンセイとハチミツな恋~どきどき・胸キュンホームルーム~
南先生の笑顔に再び女の表情が滲む。


まり子はその問いに頬を染めて一礼すると、足早に音楽室を出て行った。


「――あ、あ、じゃぁ、これで」


乃理道は訳が分らず挨拶もそこそこにまり子を追って音楽室を後にした。


「上原まり子…ね…」


南先生はそう呟くと、ピアノの椅子に再び腰掛けて、たおやかにピアノのメロデ
ィを奏で始めた。


◆◇◆◇◆◇


「なぁ、どうしたんだ、まり子」


まり子の様子がおかしかったので乃理道は心配そうに尋ねて見たが「知らない」と一言いっただけで何も語ろうとはしなかった。
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