イジワルセンセイとハチミツな恋~どきどき・胸キュンホームルーム~
木造で大きな窓からの日差しは柔らかくて、周りの風景をぼんやりと浮き上がらせて幻想的だった。


静けさが支配する校舎には精霊でも澄んで居るんではないかと思われる位、清らかな時間が流れる。


そして二人はゆっくりと唇を離してからじっと見詰め有った。


「――こんな…もんか…」


微妙な表情でまり子は一歩後ずさる。


そしてくるりと乃理道に背を向けると、そのまま足早に彼の前から立ち去った。


「な…なに?」


乃理道は彼女の行動が理解出来ずに、茫然とその場に立ち尽くした。


◆◇◆◇◆◇


学校から帰った乃理道は改めてまり子の行動の意味を考えて見たが全く持って不可解としかいう事が出来ず、ただひたすら困惑していた。
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