イジワルセンセイとハチミツな恋~どきどき・胸キュンホームルーム~
『だ、だから、先生、近い、近いって!』


まり子はそう、心の中で叫びながら、


直樹の手の動きをなぞる様に、数学の問題を解き始めた。


しかし、まり子は勉強処の騒ぎでは無い。


心はちりじりに乱れて、全身から汗が噴き出すし心臓のドキドキが収まらない。


直樹は、その様子を察したのか、


「集中しろ、集中…」


そうぶっきらぼうに言い放った。


「は、はい、しゅ、集中ですね」


それは、言葉だけで有る。
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