イジワルセンセイとハチミツな恋~どきどき・胸キュンホームルーム~
「そ、そんな、欲情させるなんて…」


まり子は瞳を伏せて呟く様にそう言ったが、乃理道を欲情させた南先生の魔力に近い魅力が少し羨ましくも有ったのは事実だった。


「まり子もやってごらん、上手く出来るかな?」


直樹先生はまり子を優しく見詰めながら何の躊躇いも無くそう言った。


「――そ、そんな事…出来ません…」


否定する事しか出来ないまり子は自分がちょっと情けなく思えた。


「いらっしゃい、まり子さん、私が教えてあげるから…」


南先生はそう言ってまり子をも自分の魔力でからめ捕るが如くに熱い視線を送って来た。


――ぞくり…


まり子の背中に再び冷たい汗が流れ落ちる。


そして蜘蛛の糸に巻き取られるが如くにまり子はふらふらと南先生の元に向かって歩き出した。
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