イジワルセンセイとハチミツな恋～どきどき・胸キュンホームルーム～

「どうした、何か質問か？」


直樹先生が乃理道の視線に気がついて隙の無い笑顔で彼に言った。


ノンフレームの眼鏡がきらりと光る。


「――い……いえ、何でも有りません」


乃理道はその場を取り繕う様に、あははと乾いた笑い声を上げてから再び、はぁ
あっと溜息をついた。


「宜しい、では具体的にどうするかだが……」


直樹先生は、そう言って徐に教壇を降りると、窓の方に向かって、歩を進め、グラウンドの一点に視線を集中した。


まり子と乃理道ものろのろと椅子から立ち上がり直樹先生の視線を追いかける。


その視線の向こうに有ったのは……


「体育倉庫……が何か？」