イジワルセンセイとハチミツな恋～どきどき・胸キュンホームルーム～

乃理道は、ちょっと困った表情で直樹先生の言葉に相槌を打つ。又、無理難題を吹っ掛けて来るつもりなのかと思うと、ちょっと心が折れそうになる。


「上原、体育とはなんだ？」


突然の質問にまり子は、ひとしきりどぎまぎと更にあせあせとしたあと、口籠りながらこう答えた。


「え……え、と、か、体を動かす事です」


「よし、その通りだ、少し成長したな」


珍しく褒められて、まり子はちょっと嬉しそうに後頭部をぽりぽりと掻いて見せた。


「さて、その体を動かすと言う事は生活をすると言う事でも有る。体育の授業の目的は、社会生活において必要な最低限の運動能力を身につけると言うのが趣旨である、分るな二人とも」


まり子は素直にその言葉を聞き入れるが乃理道は、これから何を言われるのか分ったもんじゃぁ無いから、ちょっと引いている。