イジワルセンセイとハチミツな恋~どきどき・胸キュンホームルーム~
倉庫の中は、独特のにおいがする。


土と埃とカビの入り混じった何とも不思議なにおい。


直樹先生が言っていた通り、体育倉庫は青春も収納しているのかもしれないと、乃理道は思った。


◆◇◆◇◆◇


直樹先生から渡された、倉庫の中に有るであろう物品のリストを眺めながらまり子と乃理道は、黙々と倉庫の整理を進めて行った。


「やっぱり、数が全然合いませんねぇ」


乃理道がソフトボールのボールの数を数えながら誰に言うでも無くぽつんと呟いた。


「そうねぇ……」


まり子もバレーボールのボールの数を数え終わったらしく乃理道に向かってくるりと振り向くと困った様な表情。
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