イジワルセンセイとハチミツな恋~どきどき・胸キュンホームルーム~
「ま、でも、僕達のせいじゃぁ有りませんから、気にする事も有りませんよね」
乃理道は少しお気楽にそう言うと、ボールの数をリストに記入して次にバットやグローブの数を数えはじめた。


根が真面目な乃理道の事である。


どんな形にせよ、任された仕事は、きっちり仕上げるのが、彼の流儀である。
簡単に言ってしまうと、没頭すると周りが見えなくなる、割と猪突猛進型の人間だったのである。


「あ~~~ダメだ、合わないっ!」


乃理道は、そう言って思わず顔を上げたその瞬間、鼻先に、ふにっと当る物が有った。


「?」


そして、自分の置かれた状況を認識するにつれて、か~っと頭に血が上り、そのまま固まってしまった。


「やん!」
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