イジワルセンセイとハチミツな恋~どきどき・胸キュンホームルーム~
まり子もぱっとその場から飛びのいて胸を両腕で押さえながら、微妙な笑顔を作って見せる。


そして、二人は暫くの間じっと見詰め会う。


グラウンドから、何処かの運動部がランニングをしているのか、走る掛け声が近付いてきて、ゆっくりと遠ざかって行った。


「――さ、さぁ、あと、もう少しですよ、頑張って終わらせちゃいましょう!」


乃理道は、不自然なから元気を全開にして、再びリストを見ながら作業に戻る。
まり子も、それにならう。


不自然な沈黙は体育倉庫の中に、微妙な空気の空間を作り出す。


ぽふん……


今度はお尻に何か当ったのを感じて、乃理道はゆっくりと振り向く。
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