イジワルセンセイとハチミツな恋～どきどき・胸キュンホームルーム～

「じゃぁ、あの、どの辺が分りませんか？」


乃理道の問いにまり子は顎のあたりをぽりぽりと掻きながら、泣き笑いの複雑な表情ですまなそうにこう言った。


「何処がって言うか……全体的にわかんないと言うのがホントのところで…」


まり子がすまなそうに小さな声で上目遣いにそう呟いた。


「わわわ……分りました。じゃぁあですねぇ…」


乃理道は教科書をぺらぺらとめくって、これならとっつきやすいだろうと言う項目を選んでまり子に向かって差し出した。


「この辺からなら分りやすいと思うのですが」


まり子は身を乗り出して教科書を覗き込む。


それと同時にほのかに香る女性の香りに乃理道の心臓は止まるんじゃないかと思う位に大きく一度脈打った。