イジワルセンセイとハチミツな恋~どきどき・胸キュンホームルーム~
「う~ん、そうねぇ……あ、これ、ここは…」


そう言って乃理道の方向に向かって上半身を乗り出すまり子。


シャンプーの香りだろうか、ほんのりと香る彼女の香りは乃理道の体を石に変えてしまう位のマジックポイントが有った。


「――あ、そ、それはですねぇ、この……」


どぎまぎと答える乃理道の言葉を遮って、まり子はとんでもない事を乃理道に向かって口走った。


「――あの、そっちじゃ話が遠いから、こっちで教えてくれない?」


まり子はそう言ぅて、自分の隣を指差した。


――ずぎゅ~~~ん


止まった、完全に心臓が止まった。


乃理道にとってそれは、それ程強烈な言葉だった。
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