イジワルセンセイとハチミツな恋～どきどき・胸キュンホームルーム～

「そうね、その方が雰囲気良くなるものね」


まり子の言葉に乃理道の頭の中でビッグベンの鐘の音が、ごんごんと連打された気分だった。


優しく差し出されたまり子の右手を高価な宝石でも扱う様に恭しく握りしめる乃理道は、心の中で叫んだ『我生涯に一片の悔い無し』そして拳を突き上げて天に向かって叫びたかった。


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まり子が選んだ映画は、意外にもサイコホラー系の絶叫するぞが売り物の映画だった。

ちなみに乃理道は、この手の映画が大の苦手で有るが、男として女の子のリクエストを無碍に却下する訳にも行かず、あまり気乗りのしない表情で二人並んで席についた。