イジワルセンセイとハチミツな恋～どきどき・胸キュンホームルーム～

☆ひょっとして…

飛び上がって喜びたい気分だったが、そこを、ぐっと堪えて、勤めて冷静を装い「ありがとうございます」とまり子に一言だけ優しく告げた。


そしてまり子の自宅前で、彼女の姿が見えなくなるまで、その場に立ち尽くす乃理道の心は、叫びたい気持ちでいっぱいだった。


男の子は、意外と純粋で、好きな女の子の一言でこの上も無く幸せになれる物である。


乃理道は自宅にどう言う方法で帰ったのか、思い出せない位、舞い上がり、その幸せをじっくりと噛締めていた。


◆◇◆◇◆◇


「まり子さんを離せ！」


悪の権化の直樹先生に捉えられたまり子を指差して乃理道は大声で叫んだ。


「ふふふ、猪口才な、助けたかったら力ずくで奪い取るがいい！」


直樹先生は不敵な笑みを浮かべると、まり子を抱き寄せ乃理道を指差し余裕の笑みを浮かべながらそう言った。


「まり子さん、今助けてあげますからね」
そう叫んだ乃理道に向かってまり子は妙に冷めた口調で、あっけらかんとこう言った。