イジワルセンセイとハチミツな恋~どきどき・胸キュンホームルーム~
そう言って、にっこりと微笑むまり子の表情を見て、乃理道はしみじみと思った。


まり子は、本当は自分の事を、どう思っているのだろうかと。


「行こう、遅れちゃうよ」


まり子は乃理道の手を取ると、校舎の方に向かって、歩きだす。それに合わせて乃理道も続く。


「あ、あの、ま、まり子さん……」


乃理道は躊躇いながらまり子の尋ねた。


「え?なあに……」


「――い……いえ、何でも有りません…」


乃理道は、まり子の瞳にどう映っているのか確かめたくて、それを訪ねて見ようとしたのだが、はっきりと問いただして見る勇気が出なかった。そして、二人並んで歩く校舎までの道のりが酷く長い様に感じられた。
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