イジワルセンセイとハチミツな恋~どきどき・胸キュンホームルーム~
「な…」


まり子は声を上げる間もなく壁に向かって組み敷かれた。


直樹のキスはとてつもなく上手かった。


頭の芯が、じんと痺れた。


――これが、大人のキスかぁ…


薄れそうな意識の中でまり子はぼんやりと考えた。


そして、何時の間にか直樹の背中に手を回して一心不乱に彼の唇を吸った。


しかし、その様子を見ていた生徒が居た。


久遠乃理道だった。


彼は、まり子の補修が終わるのを待って、先日のラブレターの返事を聞くつもりだったのだ。


しかし、飛び込んできたショッキングな光景に、言葉も無かった。


人生が終わった様な気にもなったりした。
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