イジワルセンセイとハチミツな恋~どきどき・胸キュンホームルーム~
直樹先生は小さく右手を上げて乃理道に合図すると、その場から立ち去った。


「な、なんで…」


乃理道は本気で身の危険を感じていた。


◆◇◆◇◆◇


そして、問題の放課後がやって来た。


「あ、あははぁ、ぼ、僕も、残れって言われちゃってさぁ」


乃理道は右掌を後頭部に当てて、乾いた笑いを振り撒いた。


「そう、残れって言われたんだ…」


まり子は乃理道をじっと見詰めている。


しかし、その視線には何処となく力が無い。


空中を視線が泳いでいるのが目に見えて分る。


そして、しっとりと潤んで居る事も。
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