イジワルセンセイとハチミツな恋~どきどき・胸キュンホームルーム~
そう言って、可愛い封筒をまり子に無理矢理手渡した。


「なに、これ?」


「えと、つまり、その、気持ちです、それじゃあ、また」


彼はそれだけ言うと全速力で玄関の方に向かって走り出した。


まり子は、声をかけるタイミングを逸して、


ぽつんと一人、そこに立ち尽くす羽目に成ってしまった。


◆◇◆◇◆◇


まり子は帰宅してから自室にこもり、補習授業の様子を思い出していた。


恥ずかしくて顔から火が出そうだったが幸せな一時だと思った。


憧れの直樹と一緒に、


しかも二人きりで過ごせたのだから。


「先生…」


そう言って直樹が握ってくれた右手のぬくもりを確かめる為に、右手を自分の頬に当てがった。
< 8 / 213 >

この作品をシェア

pagetop