イジワルセンセイとハチミツな恋~どきどき・胸キュンホームルーム~
「き…」


まり子は悲鳴を上げたかったが、気が動転しすぎて声を上げる事すら出来なかった。


「遅いぞ乃理道。何時だと思ってるんだ」


「すいません、色々有りまして」


「まぁ、良い、早く準備をしなさい」


「はい、分りました」


乃理道はそう言って、イーゼルを自分好みの位置に移動すると、スケッチブックを広げて直樹先生と同じ様にまり子のデッサンを始めた。

◆◇◆◇◆◇


まり子は、再び二人の前に後ろで手を組んで立ち尽くした。


「まり子、少し、ポーズを変えて見ようか」


そう言って直樹先生は、まり子の前に進み出ると顎を手で撫でながら、何事かを考え始めた。
< 99 / 213 >

この作品をシェア

pagetop