あきれるくらい側にいて
Prologue
それは、夢と悟るには美しすぎる情景だった。
コバルトブルーの海、真っ白な砂浜。
波のせせらぎ、優しい潮風。
照りつける太陽の下、あたし達は抱き合った。
互いの体温を重ね溶かすように、強く求め合った。
しっかりとまわされた腕は、あたしが知るそれより少しだけ細く、そして若い。
あなたは誰なの……?
必然と沸き起こる疑問。
でも、正体なんて知らなくてもいい。本能が求めてる。
そして伝わってくる肌の温もりや感触、鼓動の音はとてもリアルで、激しく胸を揺さぶられ……。
それから、声 ――
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