あきれるくらい側にいて

「どうして」

「もうっ サクラさん、遅いですよ!」


どうしてここにいるの? って訊こうとしたのに、ハルはその言葉を遮った。

そして、あたしの手首をしっかりと掴み「間に合わない」って囁いて。

そのまま、駆けだした。




* * *


「ちょっと、なによっ!?」


息を切らし、連れてこられた場所を見渡す。
そこは、あたしとモモちゃんが住むマンションの近くにある公園で。


「いきなりどうしたの?」


責め口調のあたしを静止するようにハルは右手を上げて、ゆっくりと自分の唇の前でシーッのポーズをした。

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