あきれるくらい側にいて
「なんと限定1個限り、世界でたった一つしかないハル・アクツ デザインバージョン!
しかも発売の3ヶ月前ですよ」
誇らしげに、にんまりと口角を上げるハル。
「自分でデザインしたの?」
「イマジックの社長に描いてみたらって言われて。
でも採用はされませんでした。まっ 当然ですけど」
ハルの無邪気な笑顔が、夜の風景に浮かび上がる。
いま二人を照らしているのは、月の光と離れた場所に建っている街灯の明かりのみ。
あたしは、右手を頭上の夜空にかざしてみた。
キラキラと光るボトルの中に存在するのは、ゆったりとした液体。
見つめながら更に顔の角度を上げのは、目にいっぱい溜まった滴が溢れてしまわないように。