あきれるくらい側にいて
こんなサプライズ、あたし頼んだ覚えないんだけど。
それから、どうしてあたしの誕生日を知ってるの?
「最初に来た時は留守みたいだったんで、あの店にも行ってみたんですけどサクラさんいなくて」
それに、砂で作ったバースデーケーキなんて子供のおママゴトじゃあるまいし。
「でも、友達からオレのこと探しに来たって聞いて」
ロウソク3本って、あたし30歳じゃないし。
「まさかとは思ったんですけど、自分んちにも戻ってみて……でも行ってるわけないですよね? サクラさんがオレのアパートになんて。
それでもとにかく日付が変わる前に会いたくて……だから待ってました」
なんでそこまでしてくれるかな? ねぇ、どうして……。
その時、視線を感じた。
「サクラさん、一つ訊いてもいいですか?」
「…なに?」
「どうして泣いてるんですか?」