あきれるくらい側にいて
 
こんなサプライズ、あたし頼んだ覚えないんだけど。

それから、どうしてあたしの誕生日を知ってるの?


「最初に来た時は留守みたいだったんで、あの店にも行ってみたんですけどサクラさんいなくて」

それに、砂で作ったバースデーケーキなんて子供のおママゴトじゃあるまいし。

「でも、友達からオレのこと探しに来たって聞いて」

ロウソク3本って、あたし30歳じゃないし。

「まさかとは思ったんですけど、自分んちにも戻ってみて……でも行ってるわけないですよね? サクラさんがオレのアパートになんて。

それでもとにかく日付が変わる前に会いたくて……だから待ってました」


なんでそこまでしてくれるかな? ねぇ、どうして……。

その時、視線を感じた。


「サクラさん、一つ訊いてもいいですか?」

「…なに?」

「どうして泣いてるんですか?」

< 108 / 200 >

この作品をシェア

pagetop