あきれるくらい側にいて
屈んだまま俯いていると視線を感じた。
今あたしが顔を上げたなら、彼はきっとニッコリと微笑んで歩きだすだろう。
でも、それじゃイヤだと思った。
このまま帰るなんて、一人にはなりたくなかった。
でも、なんて言ったらいいんだろう。
「どうかしました?」
「……もっと…」
「え?」
だめ、言えない。でも、このままじゃ……。
「サクラさん?」
俯いてるあたしの顔を覗きこもうとするハル。それを拒むようにギュッと目を瞑った。そして
「もっ…」
「も?」