あきれるくらい側にいて
 
両親の離婚の理由を“父親の会社の倒産”だったと、ハルは続けた。

ハルのお父さんはもともとバツ1で、お姉さんはその連れ子だったらしく。だからお姉さんとは、半分しか血が繋がっていないんだとか。

お姉さんはお父さんと、ハルはお母さんと暮らすことになり。そして大学進学も、経済的な理由で断念せざるを得なくなった。

うちの会社に飛び込みでレポートや企画書を持ち込んだきっかけは、お父さんと共に出ていったお姉さんの忘れ物。

お姉さんが愛用していた化粧品がうちの会社の商品で、同梱のパンフに書かれていた社長の経営理念に感銘したんです、と呟やくように言った。


話を聞きながら思い出していたのは、小学4年の時に親が離婚した友達のこと。

あたしも幼い時に母親を亡くし片親で育ったから、不便なこともつらい思いもそれなりに経験してきた。

だけど当時、その友達とは違うように感じていた。

つらさの度合いなんて測ることはできないけど、悲しみや苦労の種類が最初から違っているんじゃないかって思っていた。子供ながらに。

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