あきれるくらい側にいて
「ハルにさせるなんて絶対イヤ!」
クッションを抱きしめ、座ったままジリジリと後ずさりするあたし。
本来の彼のキャラらしからぬ強引さで、そんなあたしを追いつめるハル。
「ちゃんとやり方を習ってきたんですって。マッサージクリームも貰ってきたんですから。だからオレに任せてください!」
でも、そんな簡単に触らせるワケにはいかないの!
いくら美容部員のお姉さま達に混ざって講習会に参加してきたといっても、男のあんたに触れられるなんて。
「だ、だってっ あたし、ハルの前でスッピンを晒す気なんてないからね!」
鼻息も荒く、そんな虚勢を張ったあたしにハルは苦笑した。
「なに笑ってんのよ!?」
「だってサクラさん、ずっと素顔ですよね?」
「え」
咄嗟に両手で頬を覆う。
……あ。すっかり忘れてたけど、あたし、スッピンだった…。
「メイクしてなくてもキレイだなって思ってました」
「//////っ」