あきれるくらい側にいて
 
「気持ちいィ~」


あたしを待っていたのは蒸しタオルの癒し。顔を覆われて全身から力が抜けていく。


……と思ったら、

「ヒャッ!!」

首筋に何かが触れて飛び上がりそうになった。


「ダメですよ、ちゃんと寝てなきゃ」


ハルがあたしの肩を掴んで押し返す。そして再び視界を遮られた。

えっ でも、今のって……。


「マッサージですから黙っててください」


そう言って、また首筋に触れたハル。

その指先が優しく滑りだす。

フェイスラインから鎖骨に向かって、上から下へ。

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