あきれるくらい側にいて
ハルが施すデコルテのマッサージは案外上手くて。上手いってことは、心地良いっていうか気持ちがいいんだけど。
寝そべりながら肌に触れられ、しかも目隠し状態なこの状況って……。
尋常じゃないほど心臓が騒いでいた。
ハルの指が鎖骨に触れるたび、その下に存在する胸を意識してしまって。妙な気分にまでなってきそうで……。
「次は顔です」
不意にタオルを剥ぎ取られた。
開放されたのにあたしの顔はきっと高揚していて、ぶつかった視線を慌てて逸らした。
そんなあたしに「どうかしました?」なんて言ったハル。
いくら子供みたいなとこがあるっていっても、こんな真夜中に、それにこんな近い距離で、なんにも感じないのかな?
平然としてられるのは、あたし達が前にそういう経験してるから?
でも、あたしとハルってホントにシたの?
あまりにも記憶がなくて疑問を感じてしまう。