あきれるくらい側にいて
 
『このまま泊まってく?』

『ダメですよ』


『どうして?』

『酔った勢いでそうなるのはよくないです』


『じゃあ、どうして前はシたのよ?』

『前って?』


『もういいっ!』

『だってサクラさんには…』



夢の中のあたしは、子供みたいに駄々をこねていた。

ワガママを言って泣いて取り乱し、全然あたしらしくなかった。

……じゃあ、どんなあたしがあたしらしいの?

タダシの前で大人しく彼の言うことを聞いているのが?
波風を立てないように反論しないで黙っていることが?

それともワガママを言える方が、本音を言えてるってことなのかな……。

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