あきれるくらい側にいて
 

目を覚ました時、あたしは自分のベッドにいた。

そこにハルの姿はなく、代わりにモモちゃんの賑やかな声が降りてきた。


「サクラー! いつまで寝てるのよ? もう昼過ぎよー!」


「飲みすぎた」と何度も繰り返し、部屋のカーテンを開けるモモちゃん。


降り注がれる日差しに目を細めていると

「ハッピーバースデ~♪」

と四角い箱を放られた。


「なにこれ?」

「何って失礼ね~。誕生日プレゼントでしょっ」


でもそれは、温泉地の地名をダジャレでもじってある“温泉饅頭”。

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