あきれるくらい側にいて
「これが?」
「ウルサイわねー! 高いプレゼントなら堅物野郎にもらったんでしょ?」
モモちゃんの視線の先に顔を向けると、枕の横に置かれた二つの贈り物が目に入った。
「30万ってとこかな」
でもその声は耳を素通りし、あたしは別のことを考えていた。
「センスは悪くないけど、相変わらず気持ちがこもってるようには見えないわね。
ちょっと着けてみよっと」
キラキラとモモちゃんの首元で輝くダイヤ。
でも重ねて浮かべるのは、タダシの顔じゃなくて。
「婚約指輪はいつもらうの? 今度は何カラットになるか楽しみね~」
それは、太陽みたいな明るい笑顔。
「秋には、サクラもこの部屋からいなくなるのよねー。
……あら、カード」
「え?」
箱を握っていたモモちゃんの手から、一枚の紙がハラリと落ちた。