あきれるくらい側にいて

「あら、バースデーカードじゃない?」


床からカードを拾い上げたモモちゃんが、中の文面を声に出す。

見本品のようなタダシからのメッセージ。
それは予想通りの内容だった。

ただ、3ヵ月後に控えたあたし達の“結婚”のことが少しだけ書かれていたから、あたし宛だとわかったけれど。

カードが入っていたなんて、昨日は気づかなかった。


それにしても……。

プレゼントをいつここに置いたんだっけ?


その時は、それ程真剣に考えていたわけじゃない。

ただぼんやりと、枕の横に置かれたままのもう一つの贈り物を眺めていた。



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