あきれるくらい側にいて
いつもなら、こんなリンちゃんの攻撃なんてスルーするあたしなのに。
今日は変。
「メルアドも知らないなんて仕事の付き合いしかないって証拠ですね?
なぁ~んだ。リン、疑ちゃってバカみたい」
気になる。
「ハル君、今日は夕方までいないらしいですよー。あ~あ、ツマんな~い」
気に、なる。
番号は知ってるけど、アドレスは知らないってことが。
今まで、聞き合うタイミングもその必要性もなかったってだけなのに。
でも、なんか気になる。ってか、気に障る。
リンちゃんは知ってて、あたしは知らないってことが。
リンちゃんは知ってて、あたしが、朝一の外勤のことを知らなかったってことが。
変だよ、あたし。
自分の中の目に見えない何かが、徐々に膨らんでいくように感じていた。