あきれるくらい側にいて
 
「今日はね、会社の同僚達と居酒屋へ寄って来たの。でもいつもの方が遅いかな。ここのとこずっと残業続きだから」


そう言うとウメちゃんは眉を寄せた。


「まぁサクラちゃん、秋にはお嫁に行くっていうのに。そんなにハードな仕事してて体は大丈夫?」


そこへキッチンへ行っていたモモちゃんが戻ってきて、あたしに冷えた缶ビールを渡してくれた。


「出た出た。ウメのお節介。
仕事してんだから仕様がないでしょ? 男だろうと女だろうと、結婚を控えてようと、そんなの関係ないのよ」


そう吐き捨てて、グビグビと喉を鳴らすモモちゃん。その横でウメちゃんが口をへの字にする。

容姿はこんなに似てるっていうのに、本当に中身は似ていない二人。

洋服のセンスも料理の腕前も、お酒の強さも、考え方、言うことが全然違うんだよね。

 
< 134 / 200 >

この作品をシェア

pagetop