あきれるくらい側にいて
 
*.....*.....*.....*


 
「ふぅ~ん」


そんな気のない返事を繰り返すモモちゃんに、あたしは口をへの字に曲げた顔を向ける。


「なによー、その顔は?」

「だってモモちゃん、さっきから全然真面目に聞いてくれてない感じだし」


そう言って、大袈裟なくらいに大きなため息まで吐いてみる。

モモちゃんに会社の後輩であるハルのことを話したのは、これが初めてで。別にそのことに深い理由はないけど。



「アタシには、サクラの言いたいことがよくわかんないから」

「はぁ!?
やっぱり聞いてなかったの? だから何度も言ってるじゃない。急にハルが態度を変えてきたことに苛ついてるんだってば!」


深い理由も意味だってないけど。

ただ、もう我慢の限界っていうか。
ワケわかんなすぎて、頭の中がグチャグチャしてるっていうか。
ついでに心もメチャクチャっていうか……。

とにかく今日、就業後に呼びだしたハルの態度に益々あたしは乱されて、うっぷんだらけの気持ちをモモちゃんに吐き出したのに。


「それでー、アンタはどうしたいのよ?」


なんて、流れに沿ってない返事まで返ってくる始末。

 
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