あきれるくらい側にいて
どうしたいも、こうしたいも、そんなこと言ってるんじゃないってば!
だけど、十年も多く人生経験を積んでいる頼りの姉は、何故だか今日は救いの手を差し伸べてくれようとはしない。
「つまりサクラは、このまま結婚することに迷ってるってわけ?」
だからー、そこまで言ってないでしょ!?
「それでもってそれは、その後輩君のせいでー」
やっぱり真面目に聞いてないんだ……。
「結論を言ってしまえば……その子が好きなのね?」
ちょ、ちょっと、なんてことを言いだすのよっ!!
「モモちゃん! そんなこと一言も言ってないじゃないっ!!」
ムキになって声を張り上げたら、同時にモモちゃんが小さく息を吐き出した。
「じゃあ、なにが言いたいのよ?」
だからそれは、さっきから言ってるのに!
なんて心の中で文句を言いつつも、それを声にするのを躊躇してしまった。