あきれるくらい側にいて
 
モモちゃんなら、なにか言ってくれるって思ってた。

モモちゃんなら、こんな言葉足らずなあたしの気持ちをわかってくれるって。

仕事が忙しくて、疲れてるのも原因かもしれない。
もしかすると、これは所謂マリッジブルーなのかもしれない。

そんなことを思いながら、それでもあたしの心の中の散らかりは、勝手に片付いてくれる気配もなく。

まして自分で収集もできずにいるから、ちょっとでいいから助け舟が欲しかった。

いつものモモちゃんらしく、男前な態度で言って欲しかった。

今のあたしがシャキンとできる言葉を。

背筋を伸ばして、戸惑うことなく、タダシのお嫁さんになれる……そんな何かを。


だけど。

欲していた救済の術は、与えられることなく。

あたしは一人残されたリビングのソファの上で、ただ無言で膝を抱えた。

 

 
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