あきれるくらい側にいて
 
昨日、シンガポールにいるタダシから電話があった。週末に帰国することが決まったって。

そして次の日曜には、お義母さんがまた田舎から出てきて、披露宴の衣装合わせに行く予定になっている。

家のポストには、毎日のように指輪のカタログやハネムーンのパンフなんかが届いているし。

時間はどんどん流れ、このままでは、あっという間に秋になってしまいそう……。


これでいいのか、あたし?

本当にいいの、かな……?


いや、いいはずがないじゃない!

こんなスッキリしない気持ちのまんま、嫁に行っていいわけがないんだ。


結婚する、しないとかじゃなくて。

その前に、タダシとちゃんと話をするべきじゃない? お互いの気持ちを。

今まで向き合ってこなかったから、そうするべきよ絶対。

衣装合わせの前に、タダシが戻ったらすぐに話をしよう。

 
 
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