あきれるくらい側にいて
肩を上下させ、胸に手をあてて乱れた呼吸を落ち着かせる。
深呼吸を3回。
それからモモちゃんの手からグラスを受け取り、中の水を喉へ流し込んだ。
「サクラ、一体どうしたっていうのよ?」
眉尻を下げ、あたしの顔を覗きこむモモちゃんと目を合わせて、もう一度呼吸を整える。
「モモちゃん、あたしっ」
だけど、言葉よりも先にポロポロと涙が零れ落ちた。
「もうっ泣くなんて、ホントにどうしたのーっ!?」
ハルがいなくなっちゃう。
そう思ったら、止まらなかった。
「モモちゃん、あたしね……す、好きな人がいるのっ……だけどね、いなくなっちゃうの……意地を張るばかりで本心を伝えられなかった。
タダシと別れて、この気持ちに気づいたのに……本当に好きな相手を見つけたのに……ハ、ハルってば、久米島へ行っちゃうのー!」