あきれるくらい側にいて
ああ、どうしよー。
何か話した方がいい?
ってこれ絶対、日本語通じないよね!?
さっきまでこみ上げていた涙は影を潜め、代わって湧いてきた汗。
「イチャシ?」
何か言わなきゃっ。
何をしに、こんな所まで何のために来たのよ!
背中をつたう冷や汗を払拭するように、こぶしを握りしめる。
「ナァー?」
そして、声を張り上げた。
「人を探してるの! それはあたしにとって、もの凄く大切な人で、だから…だから……ここであなたとおしゃべりしてる場合じゃないの!」
「………」
とそこで、一瞬キョトンとしたお爺さんだったけど。
「イキガカミ?」
「は?」
「 ダァヤ、ヤァ~ヌシチュンナイキガヤッサー」
一層怪しい笑みを浮かべながら、更に詰め寄ってきたんだ。