あきれるくらい側にいて

 
怪しげなお爺さんは研究所の職員だったらしく、去って行った後で隣を見れば、驚いた顔でこっちを見てるハルがいて。

まあるい瞳で見つめられたら心臓がトクンと音を立てて、改めてこの恋心を意識した。

7コも年が下だとか、学歴なんて関係ない。

ハルが好きなの。
だから何処へも行かないで!


「サクラさん、どうしてここに?」


そよぐ風に乗せ、静かに言ったハル。目の前の表情が、一層戸惑い色を濃くしている。

考えていることは、聞かれる前からわかってた。


だから……だけど ──。


その前に教えてよ?

 
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