あきれるくらい側にいて
火の点いた勢いは止まらなかった。
そのまま歩みよってシャツの胸元を掴んだ。
「ねぇ、行かないでよハルッ」
「サクラさん…」
つまらない意地も、いつの間にか身についてたプライドも、そんなのもういらない。
「話せなくなってイヤだった。避けられてつらかった。
ハルがいなくちゃ嫌だよ。いてくれなきゃ困るの。出向なんてどうして?
あたし、ハルがいなきゃダメ。
だから……お願いだから行かないで!」
顔を上げると、堪えていた涙が流れ出て頬を伝った。
シャツを掴む手に力を込める。
そして顔を見上げ、瞳を覗いて
「好きっ」
想いが溢れ出た。