あきれるくらい側にいて
 
知らない小道を駆け抜ける。


「待って!」


ハルの声を振り切るように。


「サクラさん!」


木が生い茂る草むらに入り傾斜を駆け下りると、そこに広がっていたのはビーチ。

砂に足をとられて、思うように足が進まない。


「ちょっと止まって!」


嫌っ!
追いかけて来ないで!

涙でグシャグシャになった今のあたしは、きっと世界一のブスだ。

こんな顔、見られたくないの。

このまま飛行機に乗って帰るから、だから追いかけてなんて来ないでよっ。

 

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