あきれるくらい側にいて
ハルの腕が、あたしの方へ伸びてきた。
少し日焼けしていて、思ってたより華奢ではないそれが、すっと伸びてあたしの肩を掴む。
そのまま体を起こされて目を合わせると、ハルの細い指が頬に触れて、ぱらぱらと白い砂粒を払い落とした。
そっと触れる優しい指。
でも顔は、まだ怒ってる。
「もうっ なにしてるんですか?」
プッと頬を膨らまして言ったハルを場違いにも可愛い、なんて思ってしまう。
振られたばかりだというのに。