あきれるくらい側にいて
 
まるで魔法をかけられたようだった。


抱きすくめられたその瞬間、上昇していたボルテージは停止した。

強く強く抱きしめられ、体から力が抜けていく。

どんなに強がっても、泣き喚いたとしても。

好きなものは、好きで。
ただハルのことが好きで……。


────


魔法をかけられたんじゃない。

……解いてくれたんだ。

ハルの腕の中で、頑なだったあたしの心が解かれていく ──。

 
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