あきれるくらい側にいて
 

ベランダからはプライベートビーチが見えるリゾートホテル。

モモちゃんにもらった……いや、借りた30万から奮発した素敵なホテル。

ジュニアスイートの広めの部屋の、ふかふかで大きなベッド。

その上であたし達は、キスを交わそうとしていた。

ハルに肩を抱かれ、そっと目を閉じて、降りてくる唇を待っていた、その時。

急に思い立ち、あたしが持ち出した話題によって、甘い甘い雰囲気は一変してしまったの。

だって。

いざ、となって、黙ってるより打ち明けた方がいいって思ったから。

ハルとそういうことになるのは初めてじゃないけど、その時のことを覚えてないって事をちゃんと言った方がいいって思ったから。

それなのに、まさか。

シてなかったなんて……そりゃあ、驚くでしょ?

 
< 194 / 200 >

この作品をシェア

pagetop