あきれるくらい側にいて
再会から変わる運命
タダシが急な海外出張でシンガポールへ旅立ったのは、それから一週間後のことだった。
しかも帰ってくるのは三ヶ月も先らしい。
式場選びに出かけた日以来、あたし達は会っていないっていうのに。
あの日だって『どこで晩ゴハン食べて帰る?』って聞いたら、『片付けたい仕事がある』って断られちゃって。
それであたしは一人でお茶して、洋服屋さんや雑貨屋さんをぶらぶらして、最後に行き着いたのが小っちゃな居酒屋だったんだ。
そしてそこから……何故か、あの朝の大事件へワープ!
つまり途中の……の部分が、完全に記憶から欠落したまんま。
だから “あの男は誰だったの!?”って疑問は、まだ晴れていない。
本当に夢だったらいいのだけれど。