あきれるくらい側にいて
 
「今日付けで配属になりました、花井 桜です」

慌てて席に着きながら挨拶をすると

「同じく今日から配属になったアクツ ハルです。よろしくお願いします」

座ったままペコってした彼。


「えっ 今日から?」


思わず聞き返し顔を見たあたしは、あまりのことに一瞬にして固まってしまった。


「 ―――っ!」


だけど隣の彼は、のん気に返してくる。


「はい。昨日まではこの開発にいたんですけど……あっ ミーティング始まりそうですね。挨拶の続きは終わってからってことで」


なんて、なんとも屈託のない笑顔を見せてから、手元の資料に目を落とした。

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