あきれるくらい側にいて
 
新部署でこれから新しい仕事に取りかからなきゃいけない、その転属初日。大事なミーティングだっていうのに、全然集中できない。


あの朝見たリアルすぎる夢の映像や、『やっと会えたね』って甘く囁かれた声。

ドキっとするくらい可愛らしい寝顔に、あたしに怒鳴られ戸惑う表情。

そして、裸を見られた忌まわしい記憶……。


グルグルグルグル、頭の中を巡り巡って…………ミーティングは終わってしまった。



「ハァ~ッ」


大っきなため息をついて、彼の立っている方に視線を投げた。

そこには女子社員に囲まれニコニコしてる阿久津 陽がいて。


「やっぱ似てる…」


これって、一体全体どういうことなのよぉ?

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